『勝手にふるえてろ』
このエントリーの結論は"このブログタイトルの「とどきますか。とどきません。」は綿矢りさの『勝手にふるえてろ』冒頭の1文です、是非読んでください。"です。
でも私はイチがよかった。ニなんていらない、イチが欲しかった。
私のお星さまは、イチ。最後まで食べずに残しておいたお皿のうえのイチゴ。
でもいま手に入れてすらいないうちに彼を失いつつある。
告白してふられたとか彼に彼女ができたとか彼に幻滅したわけでもない、ただ、恋が死んだ。
ライフワーク化していた永遠に続きそうな片思いに賞味期限がきた。
かわいい文房具やおもちゃは買ってくれないけど、本だけはいくらでも買ってくれて、クリスマスにはサンタの仮面をかぶって単行本5冊(確かネシャン・サーガ)をクリスマスプレゼントとして枕元に置くような母だったので、同年代の子に比べると読書が好きな方だった。
青い鳥文庫を除くと、はじめてちゃんと読んだのは恩田陸の『六番目の小夜子』で当時小学校中学年くらいのわたしにはなんかこわい、くらいの印象しか残ってない。登場人物の誰の心情も理解できずにただ活字追っていただけだった。つぎに買ってもらったのが当時映画化されてて話題の綿矢りさの『インストール』だったはずだけど、まったく覚えてない。あと恩田陸の『ネバーランド』も読んだけどあれは小学生が読む内容じゃないと思う。
母セレクトで読んだ本
母がミステリ好きなのととりあえず有名どこ読んどけってことだったんだろうが、小学生にはハードル高かったっす。このころ母の趣味のミステリばっか読んでたせいかいまだに自分からミステリ読もうと思わない。
これは普通に面白く読んでだ覚えがある。小学校の朝読書の時間に読み進めてた記憶。ドラマの早乙女太一くんの鈴彦姫めっちゃきれいだった。
はじめて読んだ東野圭吾はこれだったはず。大人ってめんどくせえなって思いながら読んでた(当時小学生)。
重くて分厚い単行本を体操着カバンにつっこんで朝読書の時間に読んで、家に持って帰って来て読んで、また学校持っていてを繰り返してた大好きな本。単行本も文庫本もDVDも全部ある。
わたしのオタクのはじまりは嵐なんですが、櫻井翔がドラマ化するからって読んだこれが結構好きで、東野圭吾せめてみようと『白夜行』と『手紙』を読んで打ちひしがれた中高生時代。
東野圭吾の作品でいちばん好き。名作。
だいすきなのでwikiのあらずじも置いておきます。
敏腕広告クリエイター・佐久間は、リーダーとして進めてきた日星自動車のイベントのプロジェクトを、クライアントである日星自動車の副社長・葛城勝俊の一声で潰されてしまう。失意と屈辱感に苛まれた佐久間は、葛城の住む豪邸まで出向くが、そこで家出しようと葛城邸の塀を乗り越えてきた葛城の娘・樹理と出会う。
家に帰る意思を見せず、葛城家から金を巻き上げたいという樹理に対し、葛城に一矢報いたいと願う佐久間は、樹理に狂言誘拐を持ちかけ、葛城から3億円を奪い取ろうと画策する。だが、2人が進めた狂言誘拐は、意外な展開を見せていく。
内博貴の復帰作ドラマの原作で親が買ってくれたやつ。一家でジャニヲタ。
夏休み課題の読書感想文を「カラフル」で書こうとしてやめて「きみの友だち」で書いたら先生に惜しいって言われた年にクラスメイトが読書感想文で県1位になった。
読んだのが小学6年か中学入学したかくらいの時期で(たぶん)そのときはまったく面白みを感じなかったけど高校生の時に読み返したらすごく好きでいまでも読み返すし映画もたまに見る。高校生特有の友達との付き合い方とかイベントの雰囲気とか、具現化言語化するとなんでいい意味でも悪い意味でもきれいに浄化していくんだろなあって思った記憶が。
母と本の趣味合わないことに気づいて自分の好きな作風を探し求めてたどりついた本。
本山奈緒子(波瑠)は、かつての恋人・加地径一郎(葉山奨之)の事故死の影響から、玄関でしか眠れなくなってしまった。流れる時間の中、いまでは新しく付き合っている恋人・川嶋巧(入江甚儀)との日常が、奈緒子にはあった。加地の親友であった巧と奈緒子にとって、この現実は加地に対する裏切りだと感じ、自分を責めていた。二人の時計の針は止まったまま…
映画は見てないです。
セイちゃんの奥さんが子供を産むために実家に帰っている一ヶ月半、新婚生活(仮)が始まる。待ち望んでいた、二人だけの穏やかな日々、なのに――。例えば月を灯すような、何かを変えるスイッチを探す、一夏の物語。
2作とも登場人物たちはいたって真剣で純粋に人生の選択肢を選んで進んでいるからこそ、ファンタジーになってしまう。橋本紡の作品は淡々と進んでいくので、読みながら「おいていかないでー」ってなるんだけどそれがまたいい。
橋本紡で一番好きなのは『9つの、物語』
大学生のゆきなの前に、長く会っていなかった兄がいきなり現れた。女性と料理と本を愛し、奔放に振舞う兄に惑わされつつ、ゆきなは日常として受け入れていく。いつまでもいつまでも幸せな日々が続くと思えたが…。ゆきなはやがて、兄が長く不在だった理由を思い出す。人生は痛みと喪失に満ちていた。生きるとは、なんと愚かで、なんと尊いのか。そのことを丁寧に描いた、やさしく強い物語。
上記に2作にはないあたたかさがすき。でもファンタジー。
ちなみに橋本紡さん、'12年くらい、わたしが高校生のときにもうしばらく書きませんってブログを更新されてまじかーってなっていまだに書かれてないです。
瀧羽麻子といったらこれでしょう。
高校のころ本当に毎日読んでて、これがかばんに入ってないことが無かった。これ読み返すと高校のクラスのざわめきとか自分の席からの景色とかにおいとか、思い出す。
読んだ理由は当時田中圭が好きだったから。あと東京吉本の芸人さんを中心にお笑いが好きでした、AGEAGEとかめっちゃ見てた。田中圭とオードリーの若林で舞台化して、内村さんが監督で小出恵介と伊藤淳史で映画化もして、『芸人交換日記』〜リーディングシアター〜っていう朗読劇もあった。日替わりで朗読する芸人さんが違ってピースのふたりがやったとき、祐さん(綾部)がクライマックスのとき完全に涙声でつっかえながらセリフ言ってたのがすごい記憶に残ってる。NYがんばってください。
うちのおんぼろ高校の狭い図書室にもこれはあった。
親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか。「本当の過去」を取り戻すため、「記憶」と「真実」のはざまを辿る敦賀崇史。錯綜する世界の向こうに潜む闇、一つの疑問が、さらなる謎を生む。精緻な伏線、意表をつく展開、ついに解き明かされる驚愕の真実とは!?傑作長編ミステリー。
伏線回収と展開が凄いきもちがいい。高校生の時は結末になんでやねん!ってなる浅はかな頭でした。
映画も多分見た。
これは寮の友達に勧められて読んだ。映画は見てない。サクサク読めるかんじがよかった。
ド・ギョンス(EXO)にひばりやってほしい。「やっとるか」「やっとるぞ」「頑張れよ」「ようしきた」。太宰でいまだに読み返すのはこれだけ。
話題になって気になったけど買わず文庫待とうかなと思ったら、いくみんが三浦くんに借りたってツイートみて買った。そしたら推しも読んでた。かわいい。
あらすじ書きません読んでください是非。冒頭1ページで好きな人は「好き!」だし、嫌いは人は「あ、これ無理だわ」ってすぐわかる本です。綿矢りさってほかの作家に比べてそれが顕著だと勝手に思ってますが『勝手にふるえてろ』はとくにだと思う。
好きなひとにだったり、好きな俳優さんやアイドルに夢見る女心をいろんな角度からえぐられてそこに現実詰め込まれて、さよならばいばいまたきてねー!って手を振られるかんじ。
「どうして私のこと"きみ"って呼ぶの」
イチは私の大好きな、はずかしそうな笑顔になった。
「ごめん。なんていう名前だったか思い出せなくて」
見栄と虚言癖がごちゃごちゃになって一部なってしまうおなかの奥底にあるものとかを突きつけられて、自分が女であることを再認識させられるおはなしでした。